2025.12.25
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冷え症の改善は基礎工事から始めよう

今回は、冷え症の特徴と体質の改善についてご説明します。その過程で東洋医学の治療理論にも触れていきます。
対処療法では改善は難しい
前回のブログでも述べましたが、冷え症の方は本質的に体力が低い傾向にあります。そして、発症の経緯から二つのタイプに分けることができます。
一つは、生まれつき体力が低いタイプで、いわゆる虚弱体質といわれる場合です。子供の頃からよく風邪引いたり、お腹を下すことが多い方です。
もう一つは、元々身体は丈夫であったが、日常生活の中で、長期間のストレスに晒されたことにより体力が低下した方です。
若い頃はアクティブに動けていたのが、仕事や家庭など様々なストレスさらされた結果、身体が疲れやすくなったケースが当てはまります。
それぞれに共通していることは、冷えにさらされた期間が長く、症状が慢性的になっていることです。
身体が冷えていることが当たり前になっており、ご自分の症状が冷えによることを認識されていない方も多くいらっしゃいます。
ご参考に、冷え症の方の特徴の一部を挙げさせていただきます。
以下の事項に複数該当する方は、冷え症の可能性が高いと考えられます。
・首の筋肉(胸鎖乳突筋)が固い
・ストレートネックである
・歯医者さんに食いしばりと言われた
・巻き肩、左右の肩甲骨の間の筋肉がこる
・呼吸が浅い
・お腹が冷えて痛い、下痢を繰り返す
・お尻が冷えて固い
・膝が痛い
・疲労を感じやすい
・睡眠が十分に取れない
・気分が落ち込む
複数の症状がある方は、先天的あるいは後天的に体力や生命力そのものが低下しています。体質という根本的な部分から改善していかないことには、対処療法的な治療を繰り返しても症状の改善にはつながりにくいです。
そのため、冷えを生み出す原因や体質の改善にアプローチできる東洋医学が必要となるのです。
冷えは身体を「液状化」させる
それでは、なぜ、東洋医学は体質そのものを改善するのに適しているのでしょうか?
その答えは「陰陽論」という東洋医学の根幹的な理論のなかにあります。
「陰陽論」の詳細な解説は専門書に任せるとして、ここでは例を挙げながら出来るだけ平易な言葉を使いながらご紹介します。
「陰陽論」とは、人間を含めた万物は「陰と陽」の二つに分かれており、さらに交わることで全体のバランスが整っていくという理論です。
陰陽はそれぞれ固有の性質を有しており、「陰」は内に隠れる性質、「陽」は外に表れる性質を有しています。
個人的な見解となりますが、「陰陽」を住宅に例えると、土台である土地は「陰」に当てはまり、上物である建物は「陽」に当てはまります。
この土地と建物がある所に「病」という名の地震が発生すると、ひどい場合は「陰」である土地が液状化し、「陽」である建物は半壊します。
液状化した土地と建物が、長期間の冷えにさらされた身体を「冷え症」とお考えください。
ひどい状況です…
・陰=土地
・陽=建物
・病=地震
・冷え症=液状化した土地と建物
このような状況の建物を修繕するには、まず土地の基礎工事から始めなければなりません。
治療は基礎工事から始めよう
そして、東洋医学は「治療は基礎工事から始めよ」と述べています。
それが「陰主陽従」という東洋医学独自の治療法則です。
「陰主陽従」とは、「陰」が主体で、「陽」がそれに従うという関係性を指しています。
この理論は東洋医学の根幹的な理論でありますが、決して抽象的な概念ではなく、具体的な治療の流れを示しています。
先ほどの例でご説明すると、
地震(病)によって、液状化した土地と倒壊した建物(冷え症)を修繕するには、まず土地から基礎工事を始めなければいけません。
同様に人も、病(地震)による影響が身体の奥深くに広がり、さまざまな症状が生じている場合は、陽(建物)からではなく陰(土地)から行わなければ改善は難しいのです。
東洋医学は、在りもしない抽象論を述べているではなく、合理的な治療体系を有しており、その方法を示しています。
ただ、その合理性の基準が現代人に馴染みがないため、専門家以外には理解されにくいのです。
当院の鍼灸術は東洋医学を基盤としており、「陰主陽従」の原則に沿って治療を行っています。
そのため、「冷え症」のような体質改善が必要となる慢性症状へのアプローチを得意分野としています。
今回のポイント
・複数の症状がある「冷え症」の改善には、対処療法は適していない。
・「液状化した土地と建物」のような慢性症状には、基礎工事から始める必要がある。
・東洋医学には、基礎工事の大切さを説く「陰主陽従」という法則が確立されている。
今回は、東洋医学の根幹理論である「陰陽論」から、鍼灸が「冷え症」をはじめとする慢性症状に最適な治療である理由をご説明しました。
ただし、病による影響が身体の長期にわたって奥深くに影響しているような場合は、その改善には時間と回数を要します。
そのため、当院は「お灸によるセルフケア」をおすすめしています。
次回のブログは、知られざる東洋医学とお灸の世界、「【必読】専門家が伝える正しいお灸のコツ(仮)」を予定しております。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
それでは、次回もよろしくお願いします。



