2025.09.03
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鍼灸は川掃除に似ている
「先生の鍼って、痛くないし、ほとんど刺していないように見えます。でも身体は軽くなります。何をしているんですか?」
患者さんからよくこのようなご質問を受けます。これまで他の鍼灸治療を受けられた経験がある方ほど、当院の治療を不思議に思われる方が多いです。
そのような時は「鍼灸は川掃除に似ています」とお答えしています。
川の水がきれいで、流れが一定であれば、そこに住む魚や植物は繁栄します。
人間の身体も血液の成分が正常で、血圧や血液量が一定であれば、全身にエネルギーを送ることが出来ます。
したがって、川も人間の身体も、流れが保たれていることが重要となります。
鍼灸を川掃除に置き換えると以下のようになります。
・水の流れを止めている土砂やヘドロを取り除くこと(川掃除)
→身体に流れるエネルギーの流れを邪魔するものを取り除くこと(鍼灸)
・水量が足りていないところに水を流すこと(川掃除)
→エネルギーが不足している場所に不足分を補うこと(鍼灸)
こう考えると川と人間の身体は似ていますね。
当院の鍼治療は、患者さんの身体に流れる「気」というエネルギーの流れを把握し、エネルギーが不足しているところには補い、流れを邪魔しているものを取り除くことによって、気の流れのバランスを整えることを目的としています。
流れが円滑になると身体にエネルギーが満ち、食べられなかったのが食べられるようになり、眠れなかったのが眠れるようになっていきます。そうすることで、自己治癒力が向上し、様々な心身の症状が改善に向かうのです。
鍼灸の目的と方法はとてもシンプルです。しかし、シンプルであるが故に、非常に難易度が高く、その効果は術者の力量に大きく左右されます。
そういった意味では、鍼灸は再現性が低い治療であるといえるため、技術の向上に取り組み続けています。
今回のまとめ
・鍼灸の目的は、エネルギー(気)のバランスを整えること
・エネルギーのバランスを整える方法は「エネルギーの補充」と「流れを邪魔するものを取り除くこと」
・鍼灸の技術はシンプルであるが、難易度が高く、効果の再現性が低い
次回は効果の再現性に関わる「鍼灸は科学的な治療といえるのか?」について述べていく予定です。ここまでご覧いただきありがとうございました。
それでは次回もよろしくお願いします。